『家族仲が良くても遺言書は必要か?』
Aさん
遺言書を作成しておいた方が良いという話をよく聞きますが、私の家族は仲が良く、特に相続のことで問題になりそうなことはありません。そのような場合でも遺言書があった方がいいのでしょうか?
たかこサン
円満な家庭であれば、相続も問題なく進むと思われるかもしれません。しかし、相続というのは感情が絡む非常にデリケートな問題なので、実際には予期しない事態が起こることもあります。例えば、ご相続が発生したときに、遺産分割を巡って意見が分かれたり、感情的になったりすることはよくあります。そのようなケースを見ているからこそ、たとえご家族が円満でも遺言書を作成することを強くお勧めしています。
遺言書を作成することでAさんの意思が明確に伝わり、相続人間での誤解や争いを避け、スムーズに相続を進められるのです。お元気な間はご自身の相続対策を考えるのは後回しになりがちですが、相続は予測できないタイミングで発生するものなので、早めに作成しておくことが非常に重要です。
特に以下のいずれかに当てはまる方は、遺言書を作成しておかれるとよいでしょう。
1. 子どもが複数いる場合
2. 再婚していて前妻・前夫との子どもがいる場合
3. 独身または子どもがいない場合
4. 事業を経営している場合
5. 身体的・精神的に支援が必要な家族がいる等、家族に特別な配慮が必要な場合
6. 遺産が不動産や株式などの複雑な資産を含んでいる場合
7. 自分の希望に基づいた葬儀や埋葬方法を指定したい場合
8. 寄付をしたい場合
9. 相続人以外の人へ財産を遺したい場合
10. 相続人に遺す財産の分配を自分で決めたい場合
Aさん
遺言書を作成することで相続時の無用な争いを防ぐことができるなら、早めに準備しておくのが良さそうですね。
たかこサン
そうですね。万が一に備えて、今のうちから準備しておくことが非常に大切です。また、Aさんがお亡くなりになった後、実際に遺言書の内容に基づいてご相続人様へ遺産を引き継ぐところまでを見越して、最適な内容で作成することも重要です。遺言書の作成をご検討される際は、ぜひ専門家にご相談ください。