未分割申告後、更正の請求により相続税の還付を受けた事例
相談内容
被相続人
父
相続人
母、長男、長女
相続財産
お父様に相続が発生しましたが、遺産の分割について相続人間でもめており、相続発生後8ヶ月がたっても未だ協議がまとまっていませんでした。相続税の申告期限が迫っていたため途方にくれてご相談に来られました。
解決内容
遺産分割の目途が立っていない
今回のケースは、申告期限まで2ヶ月を切った段階で、相続人間で紛争があり遺産分割の目処も立っていなかったため、相談者と打ち合わせのうえで、申告期限内に遺産分割協議をまとめることは難しいと判断、未分割のまま一旦申告、納税を行うことにしました。
申告後の小規模宅地の特例を活用する
遺産が未分割だと、配偶者の税額軽減や、小規模宅地の特例等の優遇措置が受けられないため、分割後に申告する場合より納付税額が大きくなりますが、申告書提出時に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付することで、遺産分割協議がまとまり次第「更正の請求」によって配偶者の税額軽減と小規模宅地の特例の適用を受けられるようにし、一旦申告、納税を行いました。
その後、無事に3年以内に遺産分割が完了したので、すぐに更正の請求を行い、配偶者の税額軽減と小規模宅地の特例の適用により過払いとなった相続税の還付を受けました。
専門家のコメント
期限内に申告をできないと、相続税に関する優遇措置を受けられなくなります!
相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ケ月と決められており、その日までに遺産分割を行うことが出来なかったとしても一旦相続税の申告をする必要があります。
今回のケースは、申告期限の2ヶ月前にご相談にいらしたため申告は間に合いましたが、期限内に申告できないと相続税に関する優遇措置を一切受けられなくなるので、遺産分割協議がまとまっていなくても、申告期限が近づいてきたら早めに税理士にご相談ください。