「母と子(未就学児)が共同相続人となり、利益相反が生じる相続手続きの事例」
被相続人:相談者の夫
相続人 :妻(相談者)、長女(未就学児)、前妻の子1名の計3名
相続財産:不動産 約2,000万円
預貯金 約2,000万円
相談内容
ご相談者様の夫が亡くなり、遺言書は遺されておらず、相続人は相談者様と未就学児である長女、前妻との間の子がいる状況で、どのように手続きを進めたらよいかというご相談です。
弊社が代行した手続き・解決内容
① 長女(未就学児)の特別代理人選任申立
未成年者は本人が意志表示をできないため、本来は親権者である親が法定代理人となります。
ただし、その法定代理人である母(相談者様)も共同相続人となる場合、誰がどの財産を取得するかを話し合って決める遺産分割協議を行う際に、相談者様と未就学児である長女の間で、利害関係が衝突してしまいます。このように、お互いに利益が相反してしまうことを「利益相反」といいます。
「利益相反」が生じている場合には、遺産分割協議を行うために、長女に特別代理人を就ける必要があります。そのため、相談者様の母(長女の祖母)を特別代理人候補者として、管轄の家庭裁判所へ特別代理人選任の申立てを行いました。
なお、遺産分割協議が利益相反行為となるのは、今回のような親子間以外にも例えば、成年被後見人である母と、その成年後見人である子が共同相続人となるような事例もあります。このような場合も同様に、成年被後見人である母に特別代理人を就ける必要があります。
② 遺産分割サポート
被相続人と前妻との間の子も相続人に該当したため、事前に相談者様と前妻の方の間でお話し合いいただいた内容を基に、弊社にて遺産分割協議書を作成し、相続人の皆様へのご署名ご捺印の手配や最終のご意向確認を行いました。
事前にお話し合いいただいていたこともありましたが、専門家を通しての手続きだったため、先方にもよりスムーズにご対応いただくことができました。
③ 相続登記
無事に相続人の皆様から必要書類をお預かりし、最終のご意向確認も完了した後、弊社にて相続登記の申請を行いました。
結果
特別代理人選任の申立てから法務局への相続登記の申請まで、1つの窓口でまとめてサポートさせていただいたことで、平日忙しいご相談者様から、大変助かったとのお言葉をいただきました。
また、遺産分割協議書の作成や相続人への捺印書類の手配等も、専門家を通して行ったことで先方にもスムーズに手配してもらえて、思っていたより早く進んでよかったと喜んでいただけました。