『生命保険を活用した相続対策』
Aさん
相続対策として生命保険の活用ができると聞きました。具体的に教えてください。
たかこサン
相続対策における生命保険の活用の主なメリットは以下のとおりです。
① 相続税の計算において「500万円×法定相続人の数」の非課税枠がある
② 生命保険金の支払いがスムーズ
③ 生命保険金は受取人固有の財産となるため、相続人間のトラブルを防げる
④ 相続放棄をしても受け取れる
各点について具体的に説明をします。
① 生命保険金の非課税枠
生命保険の目的は、契約者・被保険者が亡くなった場合に、受取人が保険金を受け取れることです。生命保険金は、遺されたご家族の生活保障という大切な目的があるため、一定額まで課税しないという非課税枠「500万円×法定相続人の数」が設けられています。
例えば、法定相続人3名の場合は、1,500万円までの保険金は相続税の課税対象外となります。
② 保険金の支払いがスムーズ
ご相続が開始すると、亡くなられた方の預金口座は凍結し、原則として、遺産分割協議が終わるまで預金を引き出せなくなります。遺産分割協議が長引くと、預金があるのに引き出せずに困るといった状態にもなりかねません。
生命保険金に関しては書類を用意すれば、1週間程度で受け取ることもできますので、葬儀費用や相続税の納税資金の確保に役立ちます。
③ 受取人固有の財産になるため、相続人間のトラブルを防げる
遺言書が無い場合は、相続財産は、相続人全員の遺産分割協議によって、分け方を決めなければなりません。
しかし、生命保険金は、受取人固有の財産(相続財産ではない)と考えられているため、事前に指定された受取人は、他の相続人との話し合いをせずに保険金を受け取ることができます。
また、生命保険金は基本的に遺留分侵害額請求の対象にもならないとされています。
生命保険を活用することで、自分が渡したい人に確実に財産を遺すことができ、受取人も他の相続人とのトラブルを避けて財産を受け取れるというメリットがあります。
④ 相続放棄をしても受け取れる
相続財産には債務などマイナスの財産も含まれるため、被相続人の死後に相続放棄を選択する人もいます。しかし、受取人固有の財産である生命保険の保険金は、相続放棄をした場合でも受け取れます。