家族信託を使って、不動産の承継先を二代先まで指定した事例
相談者:80代男性
推定相続人:妻、長男、二男
保有財産:預貯金6,000万円
自宅不動産2,000万円
収益不動産3,000万円
相談内容
不動産の相続についてご不安な点があり、ご相談に来られました。
現在、ご長男夫婦と同居しており、ご自身に相続があった際には、同居している自宅も含め、不動産はすべて長男様に相続してもらいたいと思っているとのことでした。
しかし、長男夫婦にはお子さんがおらず、将来的に不動産はどこに相続されていくのかという点をご心配されていました。
仮に、ご相談者様に相続が発生したとき長男様が不動産を相続すると、その後、長男様が亡くなった場合には、長男様の奥様と、二男様が相続人となります。
法定相続分は、長男様の奥様が3/4、二男様が1/4となりますので、おそらく不動産を含めた大部分を長男様の奥様が相続することになります。さらにその後、長男様の奥様が亡くなった際には、その相続人は長男様の奥様側のご家族(奥様の親、兄弟姉妹、甥姪)となりますので、相談者様側の親族には不動産は残らないことになってしまいます。
この事態を避けるための手段として、弊社から、「家族信託」をご提案させて頂きました。
弊社が代行した手続き・解決内容
弊社にて以下の手続きをさせて頂きました。
家族信託
家族信託は、お父様やお母様の認知症に備えて、事前に家族間で(一般的にはお子さんに)財産を管理してもらう契約を結んでおく手続きです。
この手続きをしておくことで、お父様やお母様が認知症になったとしても、お子さんの判断で預金を下ろしたり、不動産を売却したりすることができます。
この家族信託を活用することで、今回の相談者様のお悩みも解決することができました。
具体的には、受託者(財産を管理する人)を二男様にしておき、お父様が亡くなった際には、受益権(不動産を使用したり、不動産収入を得る権利)を長男様が引き継ぎ、その後長男様が亡くなったときには、長男様の奥様がこの受益権を引き継ぐように契約書に定めておきます。この間もずっと不動産の管理者は二男様のままですので、長男様やその奥様が不動産を売却したりすることはできません。
その後、長男様の奥様も亡くなったときにこの家族信託契約を終了させ、不動産はすべて最終的に二男様(仮に二男様が先に亡くなっている場合には、二男様のお子さん)が相続するという内容にしておきます。
結果
家族信託の手続きを行ったことにより、大切な不動産が、将来的にもずっと相談者様側の家系で相続していけることになりましたので、非常に安心しておられました。