農地の遺贈と農地法の許可
Cさん:「私は農業をしていますが、子供は後を継ぐ気がないので、私が亡くなった後は、田畑だけを親戚のDさんに譲りたいと考えています。」
たかこサン「相続人ではない親戚の方に財産を遺す場合は、今のうちに遺言書を書いておく必要があります。Dさんは相続人ではないので、相続ではなく、遺言による「遺贈」という形で財産を遺すことになります。」
Cさん:「そうですか。では田畑をDさんに遺贈する遺言書を書いておけばよいですね。それ以外に気を付けることがありますか?」
たかこサン:「今回の場合は遺贈したい財産が農地のため、Cさんが亡くなって実際にDさんに遺贈する時に市区町村の農業委員会(又は県知事)の許可を受けなければならないので注意が必要です。相続により相続人が農地を取得する場合には許可は必要ありませんが、農地を特定して第三者に遺贈する(農地の特定遺贈といいます。)場合は、その性質上、贈与や売買の場合と同様に許可を受けなければなりません。」
Cさん:「私が亡くなった後に、Dさんが許可の申請をしなければいけないのですね。」
たかこサン:「そうです。許可を受けるためには、遺贈を受けた人が取得後の農地の耕作に常時従事するなど、いくつかの要件を満たす必要があります。許可が下りなければ、せっかく遺贈を受けても名義変更ができず、農地を取得できない場合もありますので、許可の要件を考慮して遺贈する相手を決めたほうがよいですよ。」
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