相続税の課税における生前贈与加算
Cさん:「父は、自身の相続税対策として、毎年贈与税の基礎控除額110万円の範囲内で私に財産を贈与してきました。ところが、父に相続が開始した場合に、生前贈与された財産に対しても相続税がかかることがあると聞きました。どういうことでしょうか?」
たかこサン「生前に贈与をしていても相続税の課税対象になることがあります。相続開始前3年以内の相続人等に対する贈与については、相続税の課税対象として加算されることになっています(生前贈与加算といいます)。たとえその贈与が基礎控除額110万円の範囲内であっても、また、既に贈与税を払っていたとしても変わりません。これは、余命わずかとなった人が、駆け込みで財産を贈与して相続税を逃れることを防ぐためです。」
Cさん:「それでは既に贈与税を払った後だった場合は、贈与税と相続税、二重に課税されることになりませんか?」
たかこサン:「その場合、贈与を受けたときに支払った贈与税額は、相続税額から差し引くことができるので、二重に課税されることはありませんよ(贈与税額控除といいます)。また、相続又は遺贈により財産を取得する人以外(例えば、相続や遺贈により財産を取得しない孫や、子の配偶者等)へ贈与については、生前贈与加算が適用されません。生前贈与を利用した相続税対策を考えるならば、誰に贈与するか、いくら贈与するか、専門家に相談し、よく検討して行うのがよいですね。」
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