家族名義の上場有価証券が多くある
預貯金と同様、上場有価証券が多い場合にも、その形成過程が問題となります。
税務署では、証券口座についてもその登録印や申込者の届け出書類などの確認を行います。
証券会社の口座を誰が管理していたかということが実質的な所有者判定の上で重要な要素となっています。
未成年の子供名義の口座があり、その財産について、過去に贈与税の申告がないような場合、税務署では名義有価証券ではないかとの疑いを持ちます。こうした名義有価証券を相続財産に含めることは、それだけ税理士が相続財産の内容について、深く調べていることを示すことができ、相続税の税務調査を避けることにつながると考えています。
また、配当金がどの口座に振り込まれているかということも重要な問題です。株式の名義が相続人や家族のものであっても、この配当が被相続人の口座に振り込まれているような場合には、税務署は、株式本体も被相続人が実質の所有者ではないかとの見方をします。
株式の配当金は、証券代行会社へ通知することにより、振込口座を指定することができます。このときの振込口座は株式の名義人と違う場合でも、あまり証券代行会社で拒絶されることなく簡単にできます。ですから、こうしたことが行われているケースがかなりあると思われます。
このような安易な考えが、相続税調査そして相続税課税につながることもありますので、絶対に避けなければなりません。